医者のアドバイスを聞いている患者

いくつかある種類

はじめに鍼灸師としての立場から、学生時代に教科書の適応症一覧に痔疾患について記載された箇所が幾つか紹介され、その際の効能についても評価がそれぞれの疾患ごとにランク分けされていた事を思い起こします。
その中でも痔疾に関しては、鍼治療は著効を示すと言うような文言が目立っていた事を今でも勿論覚えています。
病理学的には肛門部に走行する痔静脈のうっ血が大きな原因であると記載されており、このうっ血を直接、鍼刺激によって取り除いてあげる事によって、怒張した静脈の血液循環が改善され、症状が改善するものと理解していますが、勿論様々な状態があると思われますので、類似疾患との鑑別診断と言うのも必要である事は言うまでもありません。

鍼灸師として開業後、様々な患者さんに対応してまいりました。
そうした患者さん達の訴えの中で、やはりこの痔疾患の患者さんのご相談にも遭遇する機会がありました。
具体的な事例として挙げられるのは、やはり教科書に載っていたのと同じように肛門部周囲の痔静脈が怒張している状態の患者さんのものでしたが、手技としても静脈周囲の患部に直接ステンレス製の寸3、3番程度の鍼を散鍼する事を数週間に渡って繰り返すという比較的簡単な方法でした。
この時に施術した患者さんはその後10年以上経過していますが、再発しておられませんので、経過としても良好なものに終わったと思っています。
しかしながら、鍼灸院で痔疾患の治療が出来る事に対しての認知度は残念ながら高いものとは言えないのも現実です。
また女性などでは羞恥心などから治療に二の足を踏んでおられる方も多いことが想定されますので、そのような点からも、鍼治療の可能性に対する今後の課題があるように思います。